お灸は「もぐさ」を燃やし、そこから生じる熱を「ツボ」に当てる温熱療法です。
犬のツボを刺激する際、多くの場合、指圧が一般的だと考えられています。しかしながら、お灸は 「温熱」により血行促進効果が期待でき、体を温めることによるリラクゼーション効果もあります。
特に血行促進は老犬の健康維持に役立ちます。
火を使うことに不安を感じる方も多いと思いますが、犬でも安全に使用できるタイプを選択すれば問題ありません。熱の調整も可能なので、犬が熱いのを我慢する必要もありません。
この記事では、犬でも安全に使用できるお灸の紹介、使用方法について解説していきます。
直接肌に触れない「棒温灸」
お灸というと、肌の上に直接乗せ、火を付けるタイプを想像する方が多いのではないでしょうか?
犬の場合、このタイプのお灸を家庭で行うのはおすすめではありません。犬が熱さに驚いて動いてしまい、火傷の危険性があります。
そこでお勧めなのが、直接体につかないタイプ「棒温灸」です。
棒温灸は「もぐさ」を棒状に巻き、筒形のしたものです。これに火をつけ、体が心地よいと感じられる程度の距離まで近づけます。
写真は、実際に筆者の愛犬に棒温灸を行っているところです。
棒温灸には、体に直接火が触れないよう「安全装置」がついています。写真では、温灸が釣鐘状の器具に挿さっていますが、これが安全器具です。
さらに犬とお灸の間にタオルを挟むことで、体に直接、灰が落ちるのを防ぐことができます。
お灸を行う場合の禁止事項
お灸は手軽に行うことができ、犬にとっても心地が良いものです。同時に注意すべき「禁止事項」も存在します。
以下の場合、犬にお灸を行うのは避けましょう。
炎症のある箇所
腫れ、赤み、熱を持った箇所は炎症を起こしている可能性が高いです。このような箇所へのお灸は禁忌です。やってはいけません。
傷のある箇所
切り傷、擦り傷、皮膚が炎症を起こしている箇所などへは、お灸を避けましょう。
犬が眠そうな時、疲労が強い時
とても眠そうにしている、疲れている、という場合、無理にお灸を行うのはやめましょう。
強い空腹時、または満腹時
強い空腹時のお灸は、犬の疲労感を増します。満腹時はお灸が消化の妨げになる場合があります。
棒温灸はどこで購入できる?
お灸専門店や通販で購入可能です。