犬のツボマッサージに興味がある方は、はじめに「ツボとはそもそも何か?」を理解しておくことが大切です。
この記事では中医学で考えるツボの解説、ツボを刺激する3つの方法、WHO(世界保険機構)による鍼灸治療適応疾患のリストを紹介します。
ツボとは何か?
中国伝統医学(=中医学)では「ツボ」は「経穴(けいけつ)」と呼ばれています。
経穴は全身の臓器とつながる「経絡(けいらく)」というエネルギーの流れ上にあります。それぞれが内臓とつながっていたり、体の状態を反映したりする「穴=ポイント」と考えられています。
このツボを刺激することにより、体のバランスを整え、健康な状態へ導くのがツボマッサージの目的です。
鍼・灸・指圧について
その「穴=ツボ」を狙って指圧する、お灸をすえることで、身体にとって様々な良い効果を与えられると考えられています。
効果が高いと考えられる順番は
- 鍼
- 灸
- 指圧
です。鍼は動物病院で打ってもらうことができます。鍼治療を行なっている動物病院が近所にないか検索してみてください。
日本ペット中医学研究会のWebsaiteでも、中医学による治療を行う動物病院を検索できます。
https://j-pcm.com/memberlist/
家庭で行えるのは指圧かお灸になります。
熱による刺激の効果を期待できるのは「お灸」です。
指圧は飼い主さんの指でツボを押すだけなので簡単です。小型犬の場合は綿棒の利用が便利です。指圧や手によるツボ揉み解しを総称し「ツボマッサージ」と呼びます。
WHOによる、鍼灸治療が適切と考えられる疾患
以下、WHO(世界保健機構)が認めた「鍼灸療法を受けるのが適切である」として、有効性をある程度認めた疾患のリストです。
*日本のような医療設備が整った国では病院の受診が第一選択肢となります。一方で医療設備の整わない環境の場合、低コストで安全生の高い鍼灸治療が現代医療の代わりとしてうまく機能する場合があります。鍼灸治療が一般的な医療にとって変わることができるという意味ではありません。ご注意ください。
消化器系疾患:胃痛、胃弱、胃酸過多、下痢、便秘
神経系疾患:不安神経症、うつ病、不眠症、神経質脳卒中後遺症、自律神経失調症、偏頭痛、パーキンソン病、膀胱神経機能障害、脳血管障害後遺症
眼、耳、鼻、咽喉系疾患:白内障、中耳炎、耳鳴り、歯肉炎、歯痛
生殖、泌尿器系疾患:膀胱炎、尿道炎、性機能障害、腎炎、前立腺肥大
婦人科系疾患:月経前症候群、不妊症、生理痛、月経不順
呼吸器系疾患:気管支炎、喘息、風邪および予防、扁桃炎
その他:薬物中毒のコントロール、更年期障害、術後痛、逆子の治療、血圧コントロール、外傷の後遺症、免疫システムの調整、ストレスの緩和